シチズン初のトゥールビヨン搭載モデルや展開している多様なコレクションについて

6/1(水)シチズンから初のトゥールビヨン搭載モデルが
発表となりました。

シチズンについては、エコ・ドライブが有名ですが、
それ以外にどういったモデルがあるのか、
また、今回発表されたモデルはどういった特徴が
あるのか見ていきたいと思います。

併せて少し前にも限定モデルが発表されているので、
そちらも紹介したいと思います。

天 -TEN-

シチズンのカンパノラと呼ばれるコレクションで、
今回初である「グローバルアートコレクション」と
呼ばれるコレクションから発表されました。

2種類あり、まずはこちらの「天 -TEN-」と
呼ばれる名称のものからです。

出典:CAMPANOLA

宇宙を漆塗りで表現したもの。
螺鈿細工と呼ばれる細工で、大小の星々を表現し
また、星雲をプラチナ粉を蒔き研いで表現しています。

文字盤で宇宙を表現したものとなっています。
アートコレクションと名の通り、芸術品のようなもの。

なお、カンパノラ初のトゥールビヨン搭載モデルとなります。
カンパノラのシンボルのベルが表面に抱かれています。
ブリッジなしのいわゆるフライングトゥールビヨンと
呼ばれるものを搭載しています。

※トゥールビヨン
機械式時計の弱点であった重力による誤差を
排除した機構。

機械式時計において、内部の一部の構造全体を
回転させることにより、姿勢差による系統的なズレを
キャンセルし、克服する機構

トゥールビヨン、ムーブメントはスイス製となっています。

ラ・ジュー・ペレ社と呼ばれる2012年に
シチズン傘下に収めた

スイス、ラ・ショー・ド・ フォンにある
メカニカルムーブメントの専門会社のものを
用いています。

    
つまり日本とスイスの合作。

日本とスイスの技術を用いて、腕時計という
小さな空間の中で宇宙を表現したもの。
そして、それを「天」という名前に沿って
青く表現していると考えます。

コンセプトである「宙空の美」そのものと考えます。

※宙空
何もない空間。

地 -CHI-

出典:CAMPANOLA

地平を表現したモデル。

※地平
大地の平らな面

乾漆粉をベースに金を用いて大地を表現した漆塗りと
なっています。

こちらも「天 -TEN-」と同様にトゥールビヨンを
搭載したものとなっています。

どちらも芸術品という捉え方でも良いと思います。
また、高級価格帯の時計でありながら、トゥールビヨン搭載で
価格が1,000万円を切るのは安い価格帯。
かといっても、2本とも各5本ずつの計10本しかない限定モデル。
入手は難しいかもしれません。

「グローバルアートコレクション」自体が今回初なので、
今後も新たに発表されていくコレクションかと思うので
その時改めて考えるのもアリかと思います。

続いては、5/25(水)に発表された「ザ・シチズン」と呼ばれる
コレクションから限定モデルについて説明です。

Caliber 0100 高精度年差±1秒 エコ・ドライブ 限定モデル

出典:The CITIZEN

エコドライブと呼ばれる光を受けて発電して
時計を動かす仕組みを用いた限定モデル。
年差±1秒。

「土佐清帳紙」と呼ばれる和紙を文字盤に用いています。
文字板に光を透過させながら、美しい色味と風合いを
実現できることから
2017年に採用して以来、
現在に至るようです。

※土佐清帳紙
原材料の楮(こうぞ)から生産し、人の手で紡ぎ、漉き、

太陽と清流に晒されて生まれる、薄さと丈夫さを兼ね備えた
手漉き和紙。
 
また、ケースにK18イエローゴールドを用いて
ワニ革のベルトを採用しています。

全体として、ベルトの黒をベースにゴールドを
メインカラーと
しています。
金無垢ではないため、さりげない高級感があります。

そこに文字盤の和紙を用いており、日本らしさを
加えています。

日本らしさを備え、控えめな高級感を演出した腕時計。
6/23(木)販売で限定50本となります。


いかがでしたでしょうか。

直近で発表された限定モデルについて説明しました。
続いて、シチズンについて会社の概要、他に展開している
コレクションについて一部ですが紹介します。

シチズン概要

1918年、創業に尚工舎(しょうこうしゃ)時計研究所として創業。

1930年にシチズン時計株式会社となります。

市民に親しまれるようにといった意味を込めて
シチズンと名付けられたとされています。
(citizen:英語で市民という意味)

最初の製品としては、尚工舎時計研究所で
1924年に開発された国産の懐中時計が
最初の製品となります。

戦後、時計事業で培ったノウハウをもとに
工作機械の外販や事務機器の分野などにも進出。

なお、2000年代に入って下記の企業買収を
行なっています。

■2008年

アメリカの時計メーカー「ブローバ・コーポレーション」

■2012年
スイスの時計会社プロサーを買収。
→ムーブメント製造会社:ラ・ジュー・ペレ
 時計メーカー:アーノルド&サン
 を傘下に持つ会社

■2016年
スイスの時計会社フレデリック・コンスタントを買収。

また、他の有名なところとしてミヨタと呼ばれる
ムーブメント製造メーカーが傘下にあります。

1999年に累計生産数量17億個として
ギネス記録に認定されています。

そして同社の代表的な技術としてエコ・ドライブと
呼ばれる技術があります。
太陽光や室内のわずかな光を電気に変えて
時計を動かすといった技術です。

開発の経緯として、1976年に世界初の
アナログ式光発電時計を開発。

ただし、当初は発電量や耐久性(寿命)の面で、
十分とは
言い難いものでした。

1980年代に入り、薄型で室内光での発電に適したソーラーセル、
寿命が長くより時計に適した電池の登場などによって、
さらに改良を重ねて現在に至っています。

フル充電されていれば、半年以上、モデルによっては、
7年以上持続可能なモデルもあります。

会社の概要については、簡単ではありますが
以上となります。

続いて、展開しているコレクションについて
一部ですが説明していきます。

The CITIZEN

イーグルがシングルマーク。

精度を追求しており、基本は年差±5秒、

年差±1秒のモデルも有ります。

年差±1秒のモデルは限定モデル。
また、最安で70万円台と高めです。

他のモデルは、最安で25万円位〜。

デザインとしては、3針のシンプルなモデルが
展開されているコレクション。


デザインコンセプトは、「シンプルな造形にこそ普遍の力がある」。

毎日使う実用時計だからこそ、すぐれた視認性、使いやすさ、
年を重ねても風化することのない美しさが重要と考えているため。

またパーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)を搭載のため、
カレンダーの調整が不要となります。

なお、最長10年間の無償保証、無償点検もあります。
ただし「シチズン・オーナーズクラブ」に登録した場合となります。
未登録の場合は、1年間のメーカー保証となります。

エコ・ドライブワン

「エコ・ドライブ」40周年のモデルとして
誕生したコレクション。

薄さわずか1.00mmのムーブメントに、
ケースの厚さ自体は、約3〜4mm台となっています。
全体的にケースの厚さが薄いコレクションと
なっています。

そして、全モデルが2針のモデル。
一部秒針のスモールセコンド搭載モデルがあります。

価格は30万円台〜70万円台。
そして当たり前ですが、全てエコドライブ搭載と
なっています。

アテッサ

「スーパーチタニウム」と呼ばれる独自のチタンや
エコ・ドライブ、電波時計などのシチズンの
根幹技術を搭載しているコレクション。

※スーパーチタニウム
シチズン独自のチタニウム加工技術と
表面硬化技術(デュラテクト)を施した、
シチズンにしかできない素材。

キズに強く、軽く、肌にやさしく、サビにくい
といった特徴があります。

クロノグラフ、カレンダー付き3針モデルが
ラインナップとして有り、価格帯は
5万円台〜20万円台と比較的安めの価格帯。

また、FTS(ファイン・チューニング・サービス)と
呼ばれる
文字盤、ケース、針などを選択し
自身でデザインできるサービスがあります。
商品発送までは約2週間。

スーツなどにおけるパターンオーダーのようなサービス。
総組み合わせ数は4万通り。
また、名前などの刻印も可能となっています。

FTSの価格は121,000〜165,000円(税込)。

シリーズ8

デザインのテーマは「引き算の美意識」。
シンプルかつモダンに。飾るのではなく削ぎ落とす。
2021年に展開開始。

シチズンで展開している機械式時計の
コレクションにおけるミドルレンジ。

テーマ通り、シンプルな3針モデルのデザインのみの展開。
また、ラグスポを連想する感じのデザインでもあります。

価格帯は、10万円台〜20万円位と
手が届きやすい価格帯。

なお第2種耐磁性能を備えた時計となります。

日常生活において、磁界を発生する機器に1 cmまで

近づけてもほとんどの場合、性能を維持できる水準
(直流磁界16000 A/mに耐えられる水準)を
満たしている時計となります。

カンパノラ

デザインコンセプトは「宙空の美」
「時を愉しむ、日常を愉しむ、個性を愉しむ」が
テーマとなっています。

2000年に販売開始し、
エコ・ドライブやシチズン傘下のラ・ジュー・ペレ社の
機械式ムーブメントなどを用いて、

・ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー、
 クロノグラフの4大複雑機構を搭載するクオーツウオッチ。

・天空の星の動きや月の満ち欠けを文字板上にリアルタイムで
 再現した時計。

など他のコレクションとは別の色合いとなってます。

実用性を重視していた他のコレクションと比べると、
テーマ通り、「遊び」がある時計。

ただし、「遊び」とはいっても、シチズンの最先端技術などを
搭載していて、技術力の高さを発揮しているコレクション。

価格帯は20万円台から100万円台と高め。
計10本の限定モデルであるグローバルアートコレクションと
呼ばれる時計(最初に説明したモデル)は、900万円台。

なお、こちらは同社初のトゥールビヨンを搭載したモデル。

トゥールビヨン搭載時計で高めの価格帯と
比較した場合は安い部類となります。
※1,000万円以上はザラの機構のため。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

最初に紹介した商品と併せて展開しているコレクションを
知ることによって、また違った見え方になったのではと感じます。

実用を重視し、同社の技術を全面に出した
コレクションだけではなく、
「遊び」、「シンプル」さを出したコレクションもあり、
多様性に富んだコレクションと感じます。

参考になれば幸いです。

今日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

新しいkindle書籍を販売しました!

最新情報をチェックしよう!