天才時計師と言われるF.P.ジュルヌの時計の特徴、展開している時計

昨今、金融緩和によるカネ余りに加えてコロナ禍と
いうこともあり、そのお金が腕時計などに
向かっていることは
周知の事実かと思います。

その結果、高級時計の代名詞とも言える
「ROLEX」などは購入事態が難しい状態です。

その波はROLEXだけでなく、他のブランドにも
波及していて、欲しくても買えない状態。

そして、その中の他のブランドの1つとして、
「F.P.JOURNE」といったブランドがあります。

いわゆる独立時計師の立ち上げたブランドですが、
今日はそのブランドについて書いていきます。

F.P.JOURNEの特徴について

創業者はフランソワ-ポール・ジェンヌ。

出典:F.P.Journe

独立時計師アカデミー
(Académie Horlogère Des Créateurs Indépendants 、AHCI)※に

所属している人物が立ち上げた腕時計のブランド。

※独立時計師アカデミー
メーカーなどに属せずに時計の製作を行う時計師から
構成される組織

独創性などから「ブレゲの再来」などと言われている
時計師です。

また、現在展開されている腕時計について、
個人的に調べてみて感じたことなどは以下の通りです。
なお各コレクション毎の特徴については、追って説明します。

・シンプルで視認性が高い。

・シンプルで見やすいが、そこに複雑機構を
 搭載したモデルもあります。

・時計としての基本性能と技術力の融合といった
 観点から芸術性を兼ね備えていると言える
 ブランドと考えます。
→調べていると、「美しさ」などについて、よく言葉が
 挙がるようです。

・防水性能(日常生活防水)から考えると、
 扱いとしては「ドレスウォッチ」として使用するのが
 望ましい。

・年間生産数は800〜900本台と言われています。
→腕時計の需要増により、現在は数年待ちの状況。
 上記から、流通している時計の総数自体が少ないため、
中古市場でも
中々見つからないといった状況。

では、そんな特徴を持つ「F.P.JOURNE」ですが、
どんな歴史があって現在に至るのか次に記載していきます。

F.P.JOURNEの歴史

1957年、フランスのマルセイユに誕生。

1976年、パリにある時計学校を卒業し、
彼の叔父である時計修理ショップに参加し
経験を積んでいきます。

そこで、ジョンビエやブレゲといった名作に触れて
影響を受けます。

1978年、初のトゥールビヨン懐中時計の製作を開始。
この製作を開始したトゥールビヨンの懐中時計は
1983年に完成。5年の歳月を要しました。

その後の1985年、
パリのサンジェルマン・デ・プレに時計愛好家たちに
オーダーメイドの時計を作るため、自身の工房を創設。

それ以降は、自動クロノメーター懐中時計などを
手がけて行きます。

また、1987年には独立時計師アカデミー(AHCI)に所属。

そして1991年、自身初となるルモントワール機構※1を
搭載した腕時計を作成。
その腕時計は、トゥールビヨン・スヴラン※2の
プロトタイプとなる
腕時計。

※1ルモントワール機構
脱進機に伝わるトルクを一定に保つための仕組み。

※2トゥールビヨン・スヴラン


出典:F.P.Journe

そして、1996年ジュネーブにTIM SAを創設し、
様々なブランドに独自のムーブメントを提供。
ここから自分の名を冠したブランドの立ち上げを
計画し始めました。

その3年後の1999年、
「Invenit et Fecit(発明し、製作した)」銘が入った
「F.P.Joune Invenit et Fecit」を発表し、
自身の名を冠した時計ブランド
「モントル・ジュルヌ」社を設立。

そして、同年トゥールビヨン・スヴランを発表。
※1991年のプロトタイプからの製品

翌年2000年、クロノメーター・レゾナンスを発表。

※クロノメーター・レゾナンス

そして2001年、オクタ・コレクションを発表。
パワーリザーブが約5日間の自動巻きモデル。
自身では初となる自動巻きモデルです。

そしてその他には、
2004年:「オクタ・リュヌ」

2005年:「クロノメーター・スヴラン」を発表

2006年:「ソヌリ・スヴレンヌ」を開発


2008年:極薄のミニッツリピーター
      「レペティション・スヴラン」を発表

など、現在に至るまで数々の新作などを発表しています。

話は戻って2003年、同ブランド初のブティックを
東京にてオープン。

その後、香港やジュネーブなどにブティックを
オープンしていき、現在は世界中で10店の
展開となっています。

そして、数々の賞を受賞していることも有名です。
全て挙げるとキリが無いので、一部となりますが、
下記となります。

1987年: 何千人もの候補者の中から年間30人だけが
       選ばれるブルシュタイン・ブランシェ財団賞を受賞。

2002年 :オクタ・カレンダーが
       ジュネーブ・ウォッチメイキンググランプリの
             特別審査員賞を受賞。

2003年:クロノメーター・レゾナンス、
      日本のウォッチ・オブ・ザ・イヤーで
      審査員賞を受賞。

2004年:トゥールビヨン・スヴラン、
      ジュネーブ・ウォッチメイキング グランプリで
      最高の栄誉≪金の針賞≫を受賞。

などごく一部ではありますが、こんな感じです。

特徴については、以上となります。
続いて現在展開しているコレクションの特徴について
引き続き紹介したいと思います。

クラシックコレクション(手巻き)

出典:F.P.Journe

・ムーブメントはゴールド製

・シンプルなデザイン

・水平ではなく、垂直に搭載したトゥールビヨン

 (トゥールビヨン・スヴラン)

・薄型のミニッツリピーター(レペティション・スヴラン)


・複数の複雑機構を搭載したアストロノミック・スヴラン

→トゥールビヨン、ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、
 アニュアルカレンダー(年次カレンダー)

・高精度


・全てドレスウォッチ。(レザーベルト)

デザイン、機構がシンプルなモデルから複雑機構を
複数搭載したモデルまで幅広いラインナップとなっています。

F.P.Journe

それぞれのモデルが唯一無二の存在であるF.P.ジュルヌの時計のコレクションをご紹介します。…

クラシックコレクション(自動巻き)

・ムーブメントはゴールド製

・シンプルなデザイン


・全モデルが複雑機構を搭載しているモデル。

→パワーリザーブインジケーター、ムーンフェイズ、
 パーペチュアルカレンダー

・全てドレスウォッチ。(レザーベルト)


・高精度


・パワーリザーブは120時間保証(5日間)

現在展開されているモデルは、全て複雑機構を
搭載したモデルで、
パワーリザーブは5日間と
ゼンマイを巻き上げなくても、
長期間動いていることが可能。
また、デザインはこちらも全てシンプル。

F.P.Journe

それぞれのモデルが唯一無二の存在であるF.P.ジュルヌの時計のコレクションをご紹介します。…

ラインスポーツ・コレクション

出典:F.P.Journe

・ムーブメントはゴールド製

・所謂ラグスポのようなモデル。全てメタル製のブレスレット。
 ただし、防水性能は日常生活防水レベル。

・自動巻きのシンプルなタイプとクロノグラフ及び

 スプリットセコンドクロノグラフ(ラトラパンテ)の
 2種類有り。
 クロノグラフのモデルについては、全て手巻きモデル。

展開されているコレクションの中では唯一の
メタルブレスレット。

デザインについては、こちらも全てシンプル。
他のモデルと比較すると、メタルブレスレットということもあり、
使いやすいコレクション。
ただし、防水性能は日常生活防水となります。

F.P.Journe

それぞれのモデルが唯一無二の存在であるF.P.ジュルヌの時計のコレクションをご紹介します。…

エレガント・コレクション

出典:F.P.Journe

・レディースコレクション。40mmモデルはレディース向け。
 48mmはメンズ向け。

・全てクオーツ式。


・ラバーストラップがメイン。


・止まった状態が30分続くと、スタンバイモードへ切り替わり、

 針の動きが停止する。
 ただし、再び動かすと動かした時点での時刻を表示する。

・全モデルが時針、分針、スモールセコンド(秒針)といった

 シンプルなモデル。

レディースコレクションではあるものの、
メンズ向けの展開もされている。
また、レディース向けも時計のサイズが大きめなため、
男性でも使いやすいサイズ感。

また、ラバーストラップでの展開ということもあり、
ラグスポのような使い方も可能。

こちらのコレクションも防水性能は日常生活防水となります。

F.P.Journe

それぞれのモデルが唯一無二の存在であるF.P.ジュルヌの時計のコレクションをご紹介します。…

展開しているコレクションについては以上となります。
続いては、2022年発表された新作について続きます。

2022新作:ヴァガボンダージュ I ゴールド

フラットトノー型のケースにダイヤル中央に配置した
テンプと時刻表示がユニークな表示方法の時計。

12時間のセンターリングに配された、
ステンレススティール製の白い枠で現在時刻を表示します。

時刻表示の白い枠に備えられたポインターが、

同じ平面内のレイルウェイスタイルの
ミニッツトラックを示すことで
分表示の役割を果たします。

言葉で言うとわかりにくい部分があるかと思いますので、
写真で説明します。

下記の場合は、1時34分頃を示します。

出典:HODINKEE

また、下記の動画で2004年に発売された
同シリーズのレビューを行なっています。

今回のモデルは2004年に発表された
「ヴァガボンダージュ I」のデザインに似た
モデルとなります。

動画を見ていると、どういった感じで時刻表示が
変化していくのかわかるかと思います。


そしてこのシリーズは過去2004年、2010年、
2017年にも
展開されています。

2004年に発表されたモデルは上で説明した通り。
ちなみに2010年、2017年に発表されたモデルは

下記のものとなります。

共通項目としては機械式時計でデジタル表示を行う
ユニークな時刻表示を行う時計。

ただし、どちらも限定モデルとなっており、
本数から考えると

これからの入手は非常に難しいモデル。

プラチナ製ケース:69 本
6N ローズゴールド製ケース:68 本

■2010年

■2017年

2010年、2017年のモデルについては以上となります。

なお、今回発表の「ヴァガボンダージュ I ゴールド」
世界限定68本。


8万6000スイスフラン(日本円未定)。

申し込みオンリー。

ユニークな時計表示の限定のコレクションとなっており、
個人的には非常に興味深いコレクションですが、
そもそもの製作されている本数が非常に少ないため、
見ること自体ができたら、ラッキーといった感じかも
しれません。

そもそも、
こういったユニークな表示方法を行う時計は、
見る機会自体も
無いかと思いますので。

THIS MODEL WAS PRODUCED IN 2022 LIMITED SERIES NUMBERED 1 T…

2022新作:オクタ オートマティック

2021年にムーブメント誕生20周年を記念して
限定生産されたモデルに対して、限定ではなく
レギュラーモデルとして追加されたモデル。

ケースサイズは40mmと42mmの2種類、
ケース素材はプラチナと18Kローズゴールドの2種類
合計4種類のラインナップが追加。

文字盤上部に大きめの日付表示、
右側に時針、分針を表示するインダイヤル、
その下に秒針のスモールセコンド。
そして、左側にはパワーリザーブインジケータの表示。

文字だけで書くと、文字盤内に色々表示があって、
スッキリしなそうなデザインにも感じてしまいますが、
下記の通り、スッキリとしたデザインで見やすい時計と
なっています。

そして、文字通り自動巻きのモデルで、
パワーリザーブは約160時間と約1週間位は
全開まで巻き上げた場合は動き続けます。

写真からでしか判断ができないですが、
それでもデザインが綺麗に配置されていて、
また、プラチナ及びコールドを用いて作られているので、
「美しい」といった感じを受けます。

実物を見ることがあるのであれば、なおのこと
そう感じるのでは無いかと感じます。

The presentation of the Octa automatic movement in 2001 has …

2022新作:エレガンス12rows ダイヤモンド

出典:F.P.Journe

出典:F.P.Journe

エレガントコレクションの新作。
12列のダイヤモンドをあしらった40mmの
ケースのエレガントにダイヤモンドをセットした
ラバーブレスレットがセットされたもの。

合計で382個のダイヤモンドがセットされています。

ブレスレットについては、8色展開されています。
ホワイト、イエロー、オレンジ、バーガンディ、
パウダーローズ、グレー、ブラック、ミッドナイトブルーが
展開されているカラー。

今まで展開されているエレガントコレクションよりも
さらに文字通りエレガントになっている
エレガントコレクションの新作と感じます。

élégante by F.P.Journe 12 rows of diamonds with set bracelet…

élégante by F.P.Journe 12 rows of diamonds with set bracelet…

さいごに

いかがでしたでしょうか。

高級時計と言われるブランドとは、
また違った特徴が展開しているコレクションから
見えたかと思います。

複雑機構を搭載しながらも時計としての視認性と
兼ね備えている時計のブランドと個人的には
見ています。

ドレスウォッチとしての使用がメインとなりますが、
使いやすい腕時計。

そして、本数自体が少ないため、
もし、購入したいと考える場合は、
早めの行動をおすすめします。

中古市場でも、あまり見かけないようです。

参考になれば幸いです。

今日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

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