今月9日、オークションハウスである
クリスティーズ・ニューヨークにて
あるロレックス製の腕時計が競売に掛けられ、
高額落札され、ニュースとなりました。
今回落札された腕時計は、背景に歴史がある腕時計です。
今回はこの高額落札された腕時計と
過去のオークションで高額落札された
ロレックス製の腕時計について見てみたいと思います。
今回落札された腕時計ロレックス Ref.3525に関して
出典:christies
1939年にこの時計を発表、1945年頃まで
生産と言われています。
ロレックス初のオイスターケースを備えたクロノグラフ。
ケース全体が、ベゼルとラグを含む1つのブロックで
構成されていることから、”Monoblocco”や “one block”とも
呼ばれています。
現在入手が難しいデイトナとは別のクロノグラフです。
なお、Prisoner Of War watch(捕虜の時計)等の
名称がついています。
理由としては、収容所に身柄を拘束されていた捕虜が
ロレックスから購入できたことからのようです。
赤十字を介して、注文することが出来ました。
なお、代金の支払いについては、戦後の帰国してからと
言われています。
第二次世界大戦中にナチス・ドイツの捕虜収容所から
脱走を試みた英国人捕虜が着けていた時計で、
この脱走を試みたことに関して、1963年公開された
スティーヴ・マックィーン主演の映画『大脱走』の
モデルとなったことで知られています。
なお、過去にもオークションに出品されていた
モデルとなっており、2007年に出品されています。
ただし、その時は最低競売価格に達せず、
入札は成立となりませんでした。
他の事例の1つとして、2019年5月13日に
スイスのジュネーブで開催されたクリスティーズの
「レア・ウォッチ」と題されたオークションで出品。
その時は471,000スイスフラン(約5,100万円)という
高額での落札となりました。
Signed Rolex, Oyster Chronographe, Anti-Magnetique, ref. 352…
今回ニュースとなった腕時計の情報は以上となります。
続いては、過去に高額で落札された
ロレックス製の腕時計について、いくつか紹介します。
ポールニューマンデイトナ(Ref.6239)
出典:PHILLIPS
2017年10月に開催されたオークションで
1775万ドル(約20億円)で落札されました。
このニュースについては、ご覧になった方が
多いのではと思います。
そももそこのデイトナがどんなものかというと、
初代デイトナで、1960年代〜70年代に製造された
手巻き式デイトナに見受けられるモデル。
プレ・デイトナと呼ばれるRef.6238を経て1963年に誕生。
名前の由来は米俳優のポール・ニューマンが愛用したことから
「ポールニューマンダイヤル」と呼ばれています。
また、別名エキゾチックダイアル(exotic dial)とも。
通常のダイヤルと比べ、インダイヤルのアラビア数字は大きく、
夜光塗料はインデックスの内側に塗布されています。
また外周サークル部分とインダイヤルは、
一段窪んだ状態となっており、ダイヤルメインカラーと
反転したカラーリングとなっている特徴があります。
デイトナ ユニコーン(Ref.6265)
出典:PHILLIPS
2018年5月、PHILLIPSが開催した
ロレックスのデイトナだけが出品される
「Daytona Ultimatum」にて出品。
5,937,500スイスフラン(約6億5千万)で落札。
1970年に登場したモデルで手巻き式。
そして、第3世代と呼ばれるデイトナです。
第2世代の防水性能が30mだったところ、
スクリューロック式のプッシャーの採用により
防水性能が50mへと向上。
それによって、OYSTER(オイスター)の称号を得て
文字盤にも表記が追加されています。
■ユニコーンと呼ばれる由来
ドイツの小売業者からの特別な注文に基づいて
1本のみ製造されたデイトナ。
ホワイトゴールドに木の樹皮のような外見の
ロレックス純正である「バークフィニッシュ」と
呼ばれるブレスレットが後付けされています。
世界で1本しかないことから、
「ユニコーン」と呼ばれています。
皇帝バオ・ダイのトリプルカレンダー(Ref.6062)
出典:PHILLIPS
2017年5月開催のオークションにて、
5,066,000スイスフラン(約5億7000万円)で落札。
1950年代に製造されたモデルで
トリプルカレンダー及びムーンフェイズを搭載。
高額落札されたモデルは、上記をベースにしたもの。
所有していた人物はバオ・ダイという阮朝(グエン朝)の
第13代にしてベトナム最後の皇帝。
1954年、第一次インドシナ戦勝終結に向けた会議のため、
スイスのジュネーブを訪れていたとき、
クロノメトリー・フィリップ・ベギンと呼ばれる
ロレックスのディーラーに訪れます。
しかし、時計をいくつか見せられたものの、
満足する時計を見つけることが出来ませんでした。
そのため、今までに作られた中で
「最も希少で高価なロレックス」といった
注文をしました。
それに応えてロレックスが用意したものが、
イエローゴールドにブラックダイヤル、そしてダイヤモンドの
インデックスが付いたRef.6062の特別なモデル。
バオ・ダイの没後5年目にあたる2002年に、
遺族によってフィリップスのオークションに出品。
＄235,000（約2,800万円）で落札。
当時の最高値を記録しました。
その15年後にフィリップスのオークションに再度出品され、
＄5,060427（約5億7,000万円）で落札されています。
ラピスラズリ文字盤のロレックスデイトナ(Ref.16516)
出典:sotheby’s
2020年7月、香港で開催されたサザビーズによる
「Important Watches」 と呼ばれるオークションに出品。
2537万香港ドル(約3億5千万円)で落札されました。
1999年に5本のみ製造されたと言われているモデル。
文字盤にラピスラズリを用いていて、
プラチナ製のモデルとなっています。
またこの時計のムーブメントは、
ゼニスエルプリメロムーブメントをベースとした
ムーブメントを使用。
その1年後に、自社製の自動巻ムーブメントに
代わっています。
※ラピスラズリ
パワーストーン等に用いられています。
アズライトやパイライト、カルサイト、
ソーダライトなど複数の鉱物で成り立つ石。
ロレックスの三代目の最高経営責任者である
パトリック・ハイニガー氏の為に製作され、
残りを親しい友人に配られたと言われています。
一部ではありますが、高額落札された
ロレックスについては以上となります。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
ポールニューマンのデイトナについては、
当時かなり話題になった記憶だったので、
ご存知の方も多いかと思います。
それ以外にも、高額の落札されたものについて
ご理解いただけたかと思います。
これらは表に出てきているものの一部かも
しれませんので、今後も1本のみ製造されたものなど
出てくるかもしれませんね。
参考になれば幸いです。
今日もご覧いただきありがとうございました。
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